2013年4月5日金曜日

効果指標による印象の違いを知っておこう☆事実は一つです

引き続き名郷先生の面談から,効果指標についての話題です。

効果指標による印象の違いを知っておこう☆事実は一つです


CQ7:浅大腿動脈に植え込むステントはDESか,BMSか?
で検索した,Zilver PTX試験[PMID:21953370]について伺っていたときのことです。

 これは良心的な論文ですね。

↑そうですか?

― パクリタキセル溶出ステント(PES)とベアメタルステント(BMS)の臨床ベネフィットを,持続的跛行や跛行の悪化,安静時疼痛などを「認めない患者」の割合で示しているでしょう。

↑ 言い換えると「イベント回避率」ですね。PES群は90.5%,BMS群は72.3%で,P=0.009と記載されています。

― そうですね。つまり,イベント発生率は9.5%と27.7%。PESがますます良さそうに見えてきませんか?

↑ たしかに,BMSを使うとイベントは3倍になるということですね。。リスク比を計算すると0.34,NNTは「5」!すごく効果があるように見えます!同じ事実なのに,効果指標によって印象はぜんぜん違ってくるんですね。そのような見方があるなんて,まったく考えに至りませんでした。。

― 私はそのような見方しかしてませんけどね(笑)。でも,このリスク比の95%信頼区間を計算すると,およそ0.14~0.87となります。信頼区間の幅が非常に広い。ですから,推定治療効果の信頼性という点では,説得力に欠けるのです。論文著者の意図はわかりませんが,それを根拠にリスク比やNNTを記載しなかったのだとしたら,好感がもてますね。

↑ 先生が最初に「良心的」とおっしゃったのはそのことでしたか。。

※この内容は,本誌第3号に掲載されています!

次回の更新では・・・
臨床試験と実臨床のギャップについて考えよう☆実地臨床はRCTのようにいかない
について紹介する予定です!

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