2013年9月5日木曜日

「Goldではないのに光り輝くように見えてしまうからくり」がわかれば,臨床論文を読むことはもっと楽しくなる。新刊のご案内です!


ライフサイエンス出版から新刊のご案内です!

臨床研究を正しく評価するには:Dr.ファーバーグが教える26のポイント


原著副題は“All that Glitter is not Gold(光るものすべてが金とは限らない)"

-ジョー先生,このなかから有意なp値を出してくれませんか?

-正確な時刻というのは,正しくない数個の時計の平均とは限らないのだ

-どの薬とも比べないときの方が新薬を良く見せるのは簡単だ

-どうして副作用を見逃してしまうのだろう?
-それは副作用を見つけようとしていないからさ

-しまった!治療群からイベントをあと一つだけ除外できれば有意になるのだが。

-見事な答えですね。でも質問は何だったのかな?

-最悪。我々の新薬には大した優位性はないね。
-心配いらないよ。慣れたマーケッティングの連中が大型品にしてくれるから。

随所にちりばめられている風刺漫画から,台詞を抜き出してみました。
EBMに入門したい人も,復習したい人も,楽しんでいただけると思います!
実例を示しながらやさしくわかりやすく解説されていますが,
案外あまり知られていない内容も多いと思いますので,
EBMに詳しい方にもお勧めです。

著者はあのファーバーグ兄弟,翻訳はバイオ統計学の第一人者である折笠秀樹氏。
ファーバーグ先生とは・・・

「彼は辛口の論評で有名であるが,現在でも臨床試験のデータモニタリング委員として数多くの試験に関与している(監訳者序)」

「かつてCa拮抗薬論争を巻き起こした中心人物で,1995年のAHAのディベートでは会場を埋め尽くした聴衆の前で堂々と持論を展開(略)この論争はALLHAT試験によってCa拮抗薬の安全性が確認され,終息したが,ファーバーグ氏が訴えたことは終始一貫しており,本書にもその考えが貫かれている。それは,すべての薬剤には多様な効果があること,個別の試験結果のみを信じるべきではないこと,安全性の確立していない薬剤については常に慎重であることなどがあげられる(刊行に寄せて 桑島巌氏)」

詳しくは・・・ こちら